今や犬山城は、国宝に指定された建造物です。
そんな犬山城は、春は桜の花吹雪、秋は紅葉狩りを楽しませてくれる名所です。
今回は、紅葉シーズンに、犬山城に訪れたときのことを綴ります。
犬山城の歴史
今から さかのぼること500年足らず。
豊臣秀吉が生まれた1537年に、織田信康(織田信長の叔父)によって建てられました。
犬山城の天守は、今ある日本最古の木造天守です。
また、現存天守12城の1つにも挙げられています。
その中でも、国宝天守は、姫路城、彦根城、松本城と、この犬山城だけです。
このことからもわかるように、非常に歴史的な価値のある城です。
意外と知らない方がいらっしゃいますが、犬山城の別名は白帝城です。
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城を築いた織田信康が死去し、次の城主となったのは織田信清でした。
1564年、織田信長と織田信清が対立すると、信長によって、犬山城は陥落しています。
信長は、犬山城の攻略を足がかりとし、美濃への侵攻を進めていったのです。
その後は、池田恒興や織田勝長らが城主となりました。
時を経て、織田信雄の家臣である中川定成が城主だった1584年。
元城主だった池田恒興が、奇襲をかけて犬山城を奪取します。
そして、この年の小牧・長久手の戦いでは、この時、豊臣秀吉が一時、犬山城に陣を置きました。
秀吉は犬山城を本営として、小牧山城に陣を構えた徳川家康と戦いました。
その後、再び織田信雄の支配化となりましたが、失脚後、三好吉房らが城主となりました。
江戸時代に入って1617年に、犬山城には徳川家の家老だった成瀬正成が入城し、以後、幕末まで9代にわたって、成瀬家が城主を務めました。
犬山城の望楼部は、この成瀬氏によって増築されたともいわれています。
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秋の犬山城の見どころ
なんと言っても、城と紅葉に心を奪われました。
わたしが歩いた道に沿って、見どころを紹介していきます。
スタート地点はこのような様子です。
真っ赤な鳥居にいざなわれ、奥へと進んでいきます。
「天守への近道」と書かれた道を進んでいくと、その途中には、稲荷がありました。
ちょうど、きものを着て、撮影に来ていた方もいました。
京都に及ばないながらも、犬山城の近くに、こんな真っ赤な鳥居があるなんて思ってもいなかったです。
とても美しかったので、しばらくは、京都の稲荷に行かなくてもいいかもしれません。
天守に向かう道中も、紅葉を見ながら楽しく歩くことができました。
空の青さとのコントラストがきれいです。
お稲荷さんを出ると、登り坂があります。
5分少々歩きますが、ゆるやかな階段も、ベビーカーをひけるスロープもあります。
子連れのお母さんやお父さんも安心して来ることができますね。
5分ほど歩くと、門の前の入城券売り場が目に入ります。
入城券をスタッフさんに渡して門をくぐります。
いよいよ天守のお目見えです。
秋なので、葉を落としている木々がありましたが、その多くはサクラの木でした。
あれほどサクラの木があるので、春になるのが楽しみになりました。
門をくぐってすぐのベストポジションで、天守を背景に、記念撮影してくれるスタッフさんもいらっしゃいました。
お願いすると、こころよく引き受けてくださいましたよ。
また、門をくぐると、あっという間に天守にたどり着いてしまいそうだったので、まずは、天守付近で散策することにしました。
すると、かわいらしく咲いている桜を見つけました。そこには、ミツバチもやってきていました。春かと思いきや、今は秋です。
ここ1週間が、例年に比べて暖かかったからでしょう。
このほかにも、天守の東側には、やぐらに囲まれた杉の大木がありました。
神木である「大杉様」です。
この杉はもともと、犬山城天守よりも高い背丈だったそうです。
しかし、伊勢湾台風のときに、落雷で枯れてしまいました。
それ以降、地元に住む方々は、杉の木が身代わりになって、雷を受けてくれたと思い、しめ縄をして祀っているのだと知りました。
このあたりで、天守近辺の散策を終え、いい気分のまま、天守へと歩みを進めました。
天守を下からながめてみると、石垣とその大きさに圧倒されます。
靴を脱ぎ、城内の急な階段をのぼっていきます。
階段は中央に手すりがあり、むかって右が上がる方、左が下りる方です。
あまりにも階段が急なので、足元に気をつける必要があります。
人が多く混雑していると、階段をのぼるペースが遅いので、前にいる人と2段ほど余裕をもたせて、ゆっくり のぼることをおすすめします。
そんな急な階段を上がって、天守に出ると、大パノラマが広がっていました。
この日は、すっきりと晴れて見わたす景色に心が躍りました。
街の建物1つ1つがはっきりと見え、まるで、この世界を私がつくったかのように思えます。
見る方角を変えると、木曽川の風景も一望することができました。
秋空ともいうべき 高い空と、目の前を流れる美しい木曽川が青々としていて、とても相性がよかったです。
帰り道は、城下町をおとずれ、五平餅を食べました。
大きな口の方であれば、1口で食べられる大きさのお餅が3つ串にささっている形でした。
1本400円程でした。少し体が冷えてきていたので、温かい五平餅にほっこりしました。
帰りがけは、のらねこさんに出会えました。
カメラを向けると、無視されるかと思いきや、いきなりこっちに向かってきたんです。
びっくりしてシャッターを切ったために、ピントがずれてしまいました(笑)
犬山城ぶらり旅は、お城の歴史的な価値とそこにある歴史を知れた、よき旅でした。
犬山城までの行き方
アクセス
所在地:犬山市犬山北古券65-2
電話:0568-61-1711(犬山城管理事務所)
時間:9:00-17:00(入場は16:30まで)※ペットは入場不可
定休日:12/29~31
所要時間:名古屋から約1時間(高速道路を利用した場合)
中部国際空港から約1時間30分(高速道路を利用した場合)
下りるICは、小牧IC(名神高速)、小牧北IC(名古屋高速)、小牧東IC(中央自動車道)が便利です。そこから、約30分で犬山城に着きます。
駐車場:周辺に約200台(普通車1回500円)
P1が約140台、P2が約50台です。下の写真は、P2です。
なお、天気も足元も良いときは、成田山の駐車場(無料)をおすすめします。
成田山の駐車場は、P2から急な坂を8分ほど上ったところにあります。
料金
大人550円
小・中学生110円
運が良ければ、犬山城が無料開放されている場合もあります。
平成最後の年、2018年1月26日(金)は、無料で入ることができました。
これは、昭和24年に法隆寺(奈良県)の金堂が炎上し、壁画が焼損したことをきっかけに、1月26日が「文化財防火デー」として制定されたことによります。
この「文化財防火デー」に合わせて、犬山城が無料開放されたのです。
次は春になったら、犬山城に行こうと計画しています。
ぜひ、あなたも、国宝 犬山城に足を運んでみてくださいね。
【注意点】
平成30年2月9日から3月16日(予定)の期間で、天守北側の鯱瓦の復旧などが行われます。
これにともなって、足場が設置されるそうです。
また、4階の一部で、入場制限があるので注意して訪れてください。
参照:保存修理工事のお知らせ http://inuyama-castle.jp/news/2018/01/17/1701
【追記】
無事に、天守北側の鯱瓦の復旧などが行われました。
予定通り3月中旬に、足場の撤去が完了し、落雷から天守を守った鯱を見ることができます。
春景色の犬山城も楽しみです。