三重県でとれる牡蠣は、とても有名です。
中でも「的矢かき」は、名高い「ブランド牡蠣」として知られています。
わたしが学生だったとき、お世話になった教授に、的矢の牡蠣がおいしいと聞いたので、今回、食べてきました。
的矢かきの魅力
味の魅力
的矢かきは、一度食べたら、遠くても通って食べたくなるほど、おいしいです。
実際に食べた牡蠣は、10cmはあるだろうというくらいに大きいものでした。
また、牡蠣が宝石のように輝いていて、見ているだけで幸せな気持ちになれました。
見た目からして高級な的矢かきを食べてみると、「海のミルク」と言われる以上に、とても濃厚な味でした。
その味に雑味はなく、透きとおっているかのようでした。
口の中でとろけるくらいになめらかな舌触りで、磯の風味が残っていて最高でした。
安心できるという魅力
スーパーで売っている牡蠣は、生で食べると「あたる」ということをよく聞きますよね。
牡蠣にあたる原因は、大きく分けて4つあります。
- 「ノロウイルス」
11〜2月の冬期によく繁殖するウイルスです。
潜伏期間は1〜2日で、その後、とつぜん症状が出ることがほとんどです。
おなかが痛くなったり、嘔吐や下痢をくり返したりします。そのような症状が出ているときは、こまめに水分補給をすることが大切だと知られています。 - 「腸炎ビブリオ」
6〜8月の夏期によく繁殖する細菌です。
潜伏期間は8時間〜1日と、ノロウイルスよりも短いです。
おもな症状は、腹痛、下痢、嘔吐、発熱です。生牡蠣を置いた食器やまな板から、感染することがあります。 - 有毒プランクトン
牡蠣は、水中にいるプランクトンをエサにしています。そのため、海水中の有毒プランクトンも、体内に取り込んでしまう危険性があるのです。これは「貝毒」と言われ、貝毒の種類によって、潜伏期間や症状は異なります。
症状の例としては、下痢、嘔吐が挙げられます。
こうした症状が約3日間続く軽いものから、神経毒により死んでしまう重い貝毒のこともあります。
一般的に、貝毒は加熱しても生き残ることが知られています。 - 牡蠣アレルギー
自分が牡蠣アレルギーなのか分からない場合は、1度牡蠣を食べてみるか、病院でアレルギーの検査を受ける必要があります。
わたしは、中学生のときに、いきなり じんましんが出て、エビアレルギーであることが判明しました。それまでは普通にエビを食べることができていたので、ビックリしました。軽い場合であれば、わたしのように じんましんが出る程度ですが、ひどい場合は、アナフィラキシーショックという危険な状態になってしまいます。
原因に挙げたウイルス・細菌は、栄養豊富な牡蠣の体内で繁殖し、わたしたちヒトは、食べることによって感染してしまうのです。
「おなかを下したくない」というかたは、牡蠣を食べないようにするか、細菌がほとんどいない牡蠣を食べるかしかありません。
牡蠣好きに「牡蠣を食べないように」と言うのは酷なことです。
そんなとき、ぜひ、的矢かきを食べていただきたいです。
的矢かきは、生で食べても、おなかを下すような心配はありません。
なぜかというと、的矢かきは、滅菌された海水で育てられるからです。
手間をかけることで、牡蠣の体内に存在する細菌がとても少なく、安心して食べることができるのです。
的矢の海で育つ牡蠣は、海水にひと手間 加えられているので、お値段はそれなりに高くなります。しかし、生で食べられる高品質な牡蠣は、この的矢ならではです。
実際に、わたしも食べたのですが、おなかを下す気配すら感じませんでした。
どの牡蠣よりも安心して食べられたので、今こうしておススメしているわけです。
もちろん焼き牡蠣にしても、濃厚な味はそのままでした。
殻の焼けたにおいが何とも言えず、食欲がそそられました。
もう、「的矢かき」の とりこです。
牡蠣と温泉の日帰り旅はいかがですか?
「的矢かきのフルコース」と「無料の温泉」を同じ場所で楽しめるところがあるんです。
伊勢志摩にある「料理旅館 いかだ荘 山上」です。
昼食は、いくつかあるコースから選び、前もって予約しておくのがベストです。
そのとき、11:00〜13:00の間で食べられるように予約してくださいね。13:30オーダーストップです。
ちなみに、わたしは開店の11:00に合わせて行きました。
スタッフのかたがあたたかく出迎えてくださり、すぐ席に通していただきました。
外観も内装もパッと見た感じ、名前のとおり、旅館でした。
入口はいってすぐのところには、海が見える展望デッキがありました。
室内から、大きな窓を通して海を眺めるのもよし、屋外のイスに座って、潮風を感じながら海を眺めるも良し、でした。
冬は、暖炉でゆったりくつろげるようです。
的矢夏牡蠣の夏会席【6,000円~】
5月~8月の中旬にかけて食べることができるコースです。
【コース内容の例】
前菜三種盛(牡蠣南蛮漬・牡蠣味噌・おろし牡蠣)
生牡蠣・焼き牡蠣・牡蠣伝法焼・牡蠣せいろ蒸し・牡蠣炙り寿司・牡蠣蕎麦・牡蠣フライ・牡蠣釜飯・牡蠣スープ・漬物・デザート
的矢かき料理【6,000円~】
10月〜3月にかけて食べることができるコースです。
このコースは、「牡蠣づくし」のフルコースです。
わたしも、こちらの7,000円コースを選びました。秋には牡蠣土瓶蒸しも食べられるので、とてもおススメです。
【コース内容の例】
前菜3種盛り・生牡蠣 3個・焼牡蠣 2個・牡蠣伝法焼き・牡蠣蕎麦・牡蠣フライ・牡蠣土手鍋・牡蠣寿司・牡蠣土瓶蒸し(秋季のみ)・牡蠣蕪蒸し(冬季のみ)・牡蠣御飯・牡蠣味噌汁・デザート
海鮮あぶり焼き【6,500円~】
伊勢海老、アワビ、サザエ、大アサリ、バタ貝の5種盛が食べられます。
どれも志摩の海でとれる新鮮な海の幸です。
それら海鮮を生きたまま焼いていきます。ただし、季節や天候によって変更することがありますので、旅館に直接、お問い合わせください。
いかだ会席【5,500円~】
4月~9月にかけて食べることができるコースです。
新鮮な海の幸の味わい深い一品一品を食べることができます。
奥志摩の郷土料理「てこね寿司」も食べられます。
海老フライセット(お子様セット)【2,200円】
わたしのように、エビアレルギーをおもちのお子様にはおススメできませんが、子連れで行った際、お子様セットとして提供していただけます。
【セット内容の例】
お刺身、エビフライ、スープ、茶碗蒸し、デザート
わたしは、個室で、海をながめながら食べることができました。
どのお料理にも牡蠣が入っていて、ワンシーズン分の牡蠣を食べた気がします。
以上の昼食を食べたかたは、宿泊していなくても、無料で温泉に入らせてもらえます。
お食事処とは反対方向の通路を進んでいくと、新館1階に移動します。
つきあたりまで行くと、温泉ののれんがかかった入口があります。
入口の近くには、自動販売機やマッサージ機も置いてありました。
わたしが訪れたときは、貸し切り状態でゆーっくりすることができました。
お風呂自体、そんなに広くはありません。
露天風呂の方が内湯の湯船よりも小さく、せいぜい7人が入れるほどでした。
ただ、露天風呂付きの展望大浴場といわれるとおり、広々とした海原を見渡すことができました。
まるで、海で心が洗われるようでした。
ここでのわたしのお気に入りは、露天風呂につかりながら、潮風や波の音を感じて ぼーっとすることでした。
入浴は14時までと、公式サイトには書いてありましたが、清掃のスタッフさんが「14時半までいいよ」と言ってくださいました。それまで、お風呂でゆっくり海を眺めていました。
海を一面に見ながら、無料で入れる温泉があるというのは、すばらしいサービスです。
おいしい的矢かきの昼食でおなかいっぱいになり、少し休憩してからゆっくりと温泉に入ることができました。
からだの中も外も、大満足の日帰り旅でした。
温泉を利用する際は、タオルを持参してくださいね。
住所:三重県志摩市磯部町的矢883−12
電話:0599-57-2035
駐車場:50台(無料)
志摩スペイン村が近くにありますので、ついでに立ち寄ってもいいかもしれませんね。
牡蠣料理はフルコースで堪能できますが、せっかく訪れるからには、生牡蠣をぜひじっくり味わっていただきたいです。
そして、温泉につかりながら、的矢かきが育つ海を眺め、ゆっくりとした時間を過ごしてくださいね。