岐阜【栗きんとん】恵那 川上屋で秋を感じよう

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秋が深まってきましたね。

今回は、食べておきたい 秋の味覚「栗」をピックアップします。

「栗」と言えば、焼き栗、栗ごはんも食べたいところですが、やはり「栗きんとん」は はずせません。

 

「栗きんとん」は岐阜の美濃地方の郷土菓子

岐阜県の郷土料理「栗きんとん」

栗きんとんは、岐阜県の美濃東部地方が発祥の郷土料理です。

 

昔から現在にいたるまで、美濃東部は、栗の栽培が盛んな地域なのです。

この岐阜の栗きんとんは、2007年に農林水産省が岐阜県の郷土料理として選んだほどです。

 

栗きんとんを作るとき、茶巾で絞ることで、独特のかわいらしい栗の形をします。

 

おせち料理でも、栗きんとんは見られます。

しかし、それと岐阜県の「栗きんとん」は別物です。

岐阜県の「栗きんとん」は、粘り気がないという特徴があります。

また、栗自体のほどよい水分と、ほどよい甘みで、最高の茶菓子とも言えます。

 

こうした岐阜の「栗きんとん」は、お菓子として、江戸時代から人気が高かったといいます。

そして、今もなお、栗きんとんは、岐阜のお土産としても名高い郷土料理なのです。

 

美濃東部で栗を栽培されている農家のかたは、栗きんとん専用の栗も出荷されています。

地域ぐるみで、栗を大切にしているということですね。

さらに、栗きんとんは 手作業で作られるということからも、栗にかける思いが強いということがわかります。

 

「栗きんとん」といえば恵那 川上屋

秋の味覚の代表「栗」

川上屋といえば、栗きんとんの有名どころ かつ、個人的に 好みに合う栗きんとんを作ってくださるお店です。

その名の通り、本店は、恵那市にあります。

恵那の本店のほかにも、次の9店舗があります(2018年9月現在)。

  • 恵那峡店(本店)
  • 恵那中央店
  • 瑞浪店
  • 高山典
  • 可児店
  • 岐阜高島屋店
  • 咲久舎 可児御嵩インター店
  • 二子玉川店(東京都)
  • 星が丘店(愛知県)

やはり、本店が岐阜と言うことで、岐阜県内に7店舗を構えています。

このうち、カフェがある店舗は、たった2店舗です。

  • 恵那峡店(本店)
  • 咲久舎 可児御嵩インター店

ちなみに、今回 わたしは、「可児店」と「咲久舎 可児御嵩インター店」に訪れたので、そのレポートもこの記事に書いております。

ゆっくり ご覧ください。

恵那 川上屋では、毎年 8月下旬から栗きんとんが販売されます。

栗は、ミカンと同じように、収穫される時期ごとに分けられます。

8月下旬は「早生(わせ)」、9月上旬は「中生(なかて)」、9月下旬は、「晩生(おくて)」と言われます。

こうした栗を収穫する時期によって、栗きんとんの風味が変化してしまいます。

たとえば、早生の栗は、甘さ ひかえめの傾向があります。

しかし、恵那 川上屋のすばらしいところは、そうした収穫時期による変化をあまり感じさせないところです。

どのように工夫しているかというと、栗を収穫する時期や栗の品種に応じて、炊き上げる時間・お砂糖の量を調節しているのです。

この ひと工夫によって、おいしさが保たれているのですね。

 

恵那 川上屋の「栗きんとん」は甘みがほどよい

川上屋の紙袋

本来、栗自体に糖分が含まれているので、栗をそのまま食べても甘みを感じます。

しかし、そのままの甘さでは物足りないと感じる人が多いので、多くの栗きんとんにはお砂糖が入れられています。

恵那 川上屋さん以外の栗きんとんは、比較的 甘過ぎる傾向があります。

栗の自然な甘さを感じることはなく、ドーンとした重い感じの甘さが口に広がってしまうのです。

これでは、せっかくの秋の味覚「栗」が脇役になってしまっています。

 

では、恵那 川上屋さんの 栗きんとんは どうかと言うと、いつ食べても甘さがほどよいのです。

つまり、栗の風味を 砂糖で消すことなく、調和によって、さらなるおいしさを感じさせてくれるのです。

これだけ、栗のことを考え抜いているから、「栗きんとんと言えば、川上屋」と言われるほど有名なのですね。

 

ほろりとする硬さが職人技

実は、恵那 川上屋さんの栗きんとんは、ひとつひとつが手絞りで作られています

 

そうして手作業で作られた「栗きんとん」を見てみましょう。

川上屋の栗きんとん

写真のように、表面に線があるのがお分かりいただけるかと思います。

それは、職人さんが手作業で絞ったときにできた跡です。

 

この栗きんとんは、お土産としても喜ばれるため、ひとり6個以上は買われるはずです。

ということは、仮に お客さん10人が栗きんとんを6個ずつ買ったとすると、60個も作らなければなりません。

100人で600個・・・。

ざっくりとした個数ですが、お店の方には、頭が上がりませんね。

いつも おいしい栗きんとんをありがとうございます。

 

ひとつずつ手で作られていると思うと、ひとり1個か2個で十分な気がします。

それを毎年のように、この季節を感じながら食べる方が、ありがたみを覚えます。

そんな小さな幸せを感じさせてくれるのが、川上屋さんの栗きんとん です。

ぜひ、日本茶といっしょに召し上がってください。

心がほっこりと温まり、癒されますよ。

 

恵那 川上屋は、栗きんとん だけじゃない

今回、わたしは縁あって、「恵那 川上屋 可児店」を訪れました。

店構え

この可児店には、カフェは併設されていません。

しかし、セルフサービスのコーヒーとお茶が置かれていました。

もちろん、大きくカットされたお菓子の試食もありましたので、緑茶とともに味わうことができました。

 

店内には、さまざまなお菓子が売られていました。

ひとつひとつの商品に説明書きがあり、どのような特徴があるのか分かりやすく売られていました。

商品の半分以上は、和菓子でした。その中でも、やはり「栗」を使ったものが多く見られました。

個人的に、手土産にうってつけだと思ったのが「くりどら」です。

その名の通り、栗が中に入った どら焼きです。

食べたあとに、ふわーっと栗の風味がしてきます。

子どもから大人まで、幅広く好まれる味でした。

 

「あんこは苦手だが、栗は好き」という方に、ぜひおススメしたい一品です。

賞味期限は、買いに行った日の5日後でした。

栗きんとんだと日もちしないので、まだ「くりどら」なら日もちするという感じです。

 

 

咲久舎カフェ

わたしは、この可児店を訪れたあと、「咲久舎 可児御嵩インター店」に移動しました。

ここ「咲久舎 可児御嵩インター店」にあるカフェでは、なんと、あの栗メニューが食べられちゃいます。

メニュー表

わたしが訪れたのは、午前10時半でした。

それにもかかわらず、40席ほどある座席はすでに埋まっている状態でした。

この日は、あいにくの空模様だったため、長居するかたが多かったのでしょう。

 

店内では、お会計がカフェ用と販売(お持ち帰り)用で分かれていました。

ショーケースには、たくさんのケーキが並んでいました。

ざっと20種類といったところでしょうか。

もちろん、このショーケースに入っているケーキも、カフェのほうで注文し、食べさせてもらえます。

そのケーキの中でも、「栗山」がとても人気でした。

「栗山」というのは、いわゆるモンブランケーキです。

わたしの前に並んでいた人も、その前に並んでいた人も注文していらっしゃいました。

ひとつ540円でした。

 

そんなケーキにも魅力を感じつつ、今回は、名前に惹かれて「栗一筋」を注文しました。

ひとつ1,080円でした。

赤い栗型の器に盛られ、存在感があります。

栗一筋

インスタ映えをねらったもののようですね。

 

ただ、確かに栗の風味はするのですが、中にあるカルメ焼きに その風味がかき消されてしまっていました。

栗一筋の内部

カラメルソースは苦く、カルメ焼きの甘さを消すにはいいと思いました。

しかしながら、「栗が引き立たないのでは、意味がない」と思い、カルメ焼きやカラメルを栗といっしょには食べませんでした。

 

「栗一筋」は、1つだけ注文して、2人か3人でシェアするのが一番いいかと思います。

そうすれば、1人あたりの金額も抑えることができます。

さらに、抑えた分だけ、ほかのメニューやケーキを食べることもできるとも考えられます。

 

さらに、ひとつの「栗一筋」をシェアする理由は、これだけではありません。

シェアをすすめる大きな理由は、カルメ焼きが甘過ぎて、くどさを感じるからです。

これは、お隣の席だったお客さんも言っておられましたので、多くの方がそのように感じるのではないかと予想されます。

複数人でシェアすれば、そのくどさも半減するので、おいしくいただけると思います。

ごちそうさまでした

それでも、やはり、栗きんとんには劣ります。

 

咲久舎 可児御嵩インター店

所在地:岐阜県可児市柿田844ー1

 

やはり川上屋は「栗きんとん」がいちばん美味

川上屋の栗きんとん

1個230円で売られています。10個でも2,300円です。

つまり、1個当たりの値段は変わらないようです。

少ししか栗きんとんを買わないわたしには、うれしい限りです。

川上屋の栗きんとん(包み紙)

栗きんとんのお店は、川上屋さん以外にも、もちろんあります。

しかし、栗への思いが伝わってくるので、昔から恵那 川上屋さんの栗きんとんをわたしは選びます。

 

残念なことに、最近は、よい栗があまり収穫できないようです。店内に貼り紙がされていました。

そのため、栗きんとん以外の商品で、価格が上がっていると知りました。

わたしは、食べさせていただく立場ですが、今まで通り、栗を地域全体で守っていってくださるよう願っております。

 

(補足) 愛知県内の直営店「星が丘店」

わたしは、愛知県の「星が丘店」に行くこともあります。

この星が丘店は、通常、駐車料金がかかります

公共交通機関で訪れるかたは関係ありませんが、お車で訪れる方は注意が必要です。

車で訪れる方で、川上屋 星が丘店で2,000円以上お買い上げの方は、2時間無料になるとのことです。
(直接電話で問い合わせ、確認済み)

また、店内で購入した商品を イートスペースで食べることもできます。

 

 

秋だからこそ、おいしいものを食べて楽しみましょう。

そして、来る冬に備えましょう。